こんにちは!澄華です。
臨書部の学習をスタートしてから2年9か月が経ちました。
先月の1月の昇段試験を受験して、半紙課題・条幅課題とともに合格をいただきました。
スタートした当初は模写することで精一杯でしたが、やっと臨書の面白さや奥深さが理解できるようになってきました。
少し遅かったのでは、なんて思っています(*’▽’)
これからの毎月の学びが楽しみでワクワクしています。
『孫秋生造像記』とは?
まず時代を遡って簡単に見ていきます。
時代は北魏(386-534)、一時仏教に対して廃仏と言われる激しい弾圧が行われました。
しかし、その後は国家的な仏教保護に転じ、石窟寺院が建設され、石窟内には多くの仏像が造られるようになりました。そのかたわらに銘文として刻まれて存在しているのが造像記です。造像記とは、仏像を造った由来、発願者、協力者、製作者、年月などを刻したものをいいます。
なかでも、自然の崖の岩を掘って作られた「龍門石窟」は、ユネスコの世界遺産にも登録されており、石窟内には力感あふれる書の名品が数多くあります。「孫秋生造像記」は優れた四点(龍門四品)の一つに挙げられています。
『孫秋生造像記』の字の特徴
前方に傾く字形構造や「方筆」と呼ばれる鋭角的で力強いことが特徴です。
横画の書き方では、起筆は垂直に近い角度で鋭く入ります。送筆は直線的に押し進め、収筆で角度を立てて筆を上げます。
転折では二段階の動きで運筆します。右上へ突き上げてから、右下に方向を変えます。縦画は太めに書きます。
まとめ
①横画・・・起筆は垂直に近い角度で鋭く入る
②送筆・・・直線的に押し進め、収筆で角度を立てて筆を上げる
③転折・・・二段階の動きで運筆。右上へ突き上げてから、右下に方向を変える
④縦画・・・太めに書く
以上が基本的な特徴となります。
『孫秋生造像記』ではまろやかな筆法(円筆)も見られるため、上記の特徴とは違う部分もみられるようですので注意が必要です。
臨書部 今月号の課題 2024.2 『孫秋生造像記』条幅課題 楷書/北魏
『新城縣功走曹劉記祖 二百人等 敬造石像』
読み:新城県功曹劉起祖、二百人等、敬みて石像〈一区を〉作る
文意:新城県の功曹の劉起祖ほか二百人がつつしんで石像〈一体を〉造る
今月の課題、特徴に気をつけて条幅課題を書きました。
1月の昇段試験の内容は非公開になりますが、10月からの課題で学んだことを踏まえ、また辞書を使って試験に臨みました。
辞書は「五體字類」西東書房・「新書道字典」二玄社を使って字(書写体)を使用しました。
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まとめ
毎月の課題の特徴をとらえ、書き進めることによって様々な字の書き方を自然と身につく感覚が出てきました。
書を書くうえで、時代を背景や造られたルーツの知識を得ることによって更に字に深みが増してくると感じています。
そういう自分自身か感じ取ることはとっても大切です。
臨書で古典を学び、私を表現できる字を目指して精進していきたいと思います。