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『九成宮醴泉銘』って?特徴と書き方について① |基本点画 日本習字・臨書部

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こんにちは!澄華(ちょうか)です(*^_^*)

先月から新しく課題がスタートしました。

九成宮醴泉銘きゅうせいきゅうれいせんめい』って?と

思われた方もいるのではないでしょうか。

今回は『九成宮醴泉銘』について特徴と書き方について見ていきましょう。

『九成宮醴泉銘』について

楷書はおよそ3世紀に芽生え、初唐7世紀に確立しました。

『九成宮醴泉銘』は“楷法の極則”ともいわれています。

九成宮とは、唐代王室の離宮のこと・深い山の中を意味します。

632年、九成宮へ避暑に来ていた太宗皇帝と皇后が

散歩の途中で地面に潤いのあるのを見つけ、杖でつついたところ泉が湧き出ました。

吉兆の前ぶれでもあり、この碑はこれを記念して建てられたものです。

『九成宮醴泉銘』の碑は現在の陝西省麟遊県にあり、原碑は碑室の中に保存。

碑文は各行50字、全24行、1108字が刻されています。

筆者は欧陽詢(557~641)76才時の筆。

人並みはずれて聡明であり、読書をするのに数行を同時に理解、

幅広く経書と歴史書を極めた人でした。

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『九成宮醴泉銘』の特徴

基本点画は背勢

引き締まっているのにゆったりとして見えます。

どの筆画の配置にも綿密な計画にもとづいた工夫がこらされています。

また筆画自体よりも余白に注意

白と黒の図柄としてみると、点画の位置関係がより明瞭となります。

背勢 欧陽詢 九成宮醴泉銘
向勢 顔真卿 顔勤礼碑

キリリとした端正で美しい文字だわ!

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『九成宮醴泉銘』の書き方について

基本点画

今回は基本点画に着目してみましょう。

横画

  • 露鋒と蔵鋒の二種使われている
  • 中程がえぐられているような鋭い横画が随処に見られる
  • 手本と同じ角度で入筆の練習をする
  • あまり抑揚をつけず同じ太さで鋒先が筆画の上辺を通るように習うことが肝心
横画 露鋒
横画 露鋒
横画 蔵鋒
横画 蔵鋒

短い横画

横画が何本も重なる文字の場合、すべて起筆の角度が同じではなく、それぞれの線に表情があります。

縦画

ほぼ真っすぐ下へおろしている画が多いです。

縦画がそびえ立ち、さわやかで風格を感じるね!

左ハライ

  • 「月」上から入った起筆が筆を弓なりに弾力をもってはらわれている
  • 「力」これから引くハライと直角の向きに力強く筆を入れ、第一横画と下のハネとハライを結んだ線が平行になる位置までかなり長く末端まで力をぬかず書かれている。
  • 「於」起筆をしっかり入れバネを使って先端まで力がいきわたるように書かれている
  • 「後」左ハライの6本が異なった線で書かれている。2画目が強調してポイントとし、三画目は細く鋭く、4画目は上を支えるようにゆったりとはらっています。

どの左ハライもとても力強い!

右ハライ

楷書の姿勢を支える重要な筆画。

鋒先を軽く突くように入筆。

左上から筆をしだいに太らせながら斜めまっすぐに引く

そしてハライ出しは一度筆を止め、右へ向かって構え直してから三角形を作るつもりで払う

けっして長くありません。むしろハライの部分は短く書かれています

全体を支えている重量感あるハライが素敵!!

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ハネ

四種類あります

  • 《可》のような長い縦画の収筆部分の左ハネ
  • 《長》短い縦画の右ハネ
  • 《戈》右斜め上へのハネ
  • 《也》上にはね上がるもの

上へのハネを除いて、ハネの前に一度筆を止め、構え直してから三角形を作るつもりで書く

注意する点は引いてきた線に対して直角にはねだすこと。

ハネによって出来る空間を最も美しく見せるための秘訣です。

上へのハネは、はねる前までに徐々に筆をふくらませおき、鋒先を左斜め上に向けた構えで、

一字をすべて抱き込むつもりで大きく重量感をもって、ゆっくりはねます。

鋒先はハネの左側をぬけていくようにします。

一画で全体のバランスをとっているね!

戈法

ほこづくりの長い斜め画は九成宮の特徴です。

初めはあまり抑揚をつけることは考えず、方向をよく見定めてから

筆を立てて充分な反りをもって書く。

ハネは短く、鋭く書きます

短いハネが鋭く目をひくね!

形、向き、大小、配置といろいろに変化をつけることができる

扱いによっては一字を全く別の表情にする力を持っている

点で全く別の表情にできるなんてすごい!

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まとめ

基本点画、一点一画が大切です。

その組み合わせ方と行間や字間が合っていないといけません。

自分自身の均衡感覚を鋭く研ぎ澄まし、じっくりと観察、

筆でこれを再現するよう習練を続けることがとっても大切です!

次回は結体について着目したいと思います。

お楽しみに!

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